パパの悩みを分かち合う 今週の相談事例集

パパからの相談にどのようにお返事したか、また、パパはその後どうしたのかをご紹介します。
(プライバシーに鑑み、内容を一部変えてご紹介しています)

2012年05月11日

つい、子どもを叩いてしまいました...。(30代、2児のパパ)

【初回相談主旨】

長男のほほを叩いてしまいました。それも逃げる息子をつかまえて20発近く。
いつもは怒ることはあっても手は出さないよう注意してました。
でもこの日は手が出てしまいました。

理由は、夕食中に皿に付いたご飯粒を集めてる最中、「できない」ってイライラし始めたので「お父さんも手伝うからがんばろう」と励ましていました。
しかし息子のイライラは収まらず茶碗を落として泣き出し、テーブルを散らかし始めました。

最初は口で注意していましたが、息子の態度が変わらなかったので頬を1発叩き私が「お父さんの顔を見て話をしよう」と言いました。
しかし、目を閉じたりよそ見をしたり顔をみようとしなかったので、もう1発叩きました。

私「泣き止んで静かに話を聞いて」
息子「難しいもん。できないもん。ねむい。うるさい」の繰り返しで計20発程度叩きました。途中、「ごめんなさい」って言葉も出ましたが話を聞くまで叩きました。

叩いたあと、凄く後悔しています。
私に一番なついてた息子が私を避けるようになりました。
息子には次の日に「ごめんね。もう絶対叩かない。許して」って謝りました。息子も「いいよ。もうしないでね」って言ってくれました。

これが原因か保育園に行くのを嫌がるようになり泣き出します。人見知りも激しくなり笑顔も減りました。
昨日から少しずつ笑顔も戻り私と遊ぶことが出来るようになりましたが、やはり保育園を嫌がります。

私が作った原因だから自分で解決しないといけないんですが、どうしていいか分かりません。
叩く前の息子の笑顔、叩いてる時の怖がる顔を思い出すと涙が止まりません。

私はどうすればいいのでしょうか?
助けて下さい。
(30代Yさん、2児のパパ)


【初回返信主旨】

3歳の息子さんをつい叩いてしまったのですね。
その後息子さんがYさんを避けるようになり、保育園に行くのもぐずるようになり。
Yさんは叩いたことをものすごく後悔している・・・。

他人にはとても話しづらいことだと思います。
隠したくなることだと思います。
それなのにご相談してくださった勇気に感銘を受けます。


Yさんは本当にお子さんのことを大事にされているのですね。
メールの文面からそのことが伝わってきます。
それだけに、自分のしてしまったことに対する罪悪感がものすごく強いのでしょう。
息子さんも、普段はとってもやさしいお父さんから何度も何度も叩かれたことで、相当なショックを受けたことと思います。

でも、Yさんは素直に声に出して謝ったのですね。
それができることが立派です。
きっと息子さんにもYさんの気持ちが伝わっていると思います。

子どもを叩くことというのはどんなことがあっても許されることではありません。
しかし親も未熟な人間です。つい手が出てしまうということも現実的にはあると思います。
手を出さないまでも言葉で貶めたり、態度でつらくあたったりという、未熟な対応をしてしまうこともあると思います。
自分自身が疲れて、気持ちに余裕がないときなどに起こりやすいと思います。

このような過ちを犯してしまったとき、まずしなければならないことは、自分の未熟さを反省することでしょう。
子どもに謝ることでしょう。
二度としないと子どもと自分に誓うことでしょう。
Yさんはすでにできていると思います。

大好きなパパに初めて叩かれたわけですから、息子さんもちょっとの間はショック状態になるかもしれません。
でも、Yさんはもともと息子さんとは強い信頼関係で結ばれていると思いますから、その信頼関係が揺らぐことはないと思います。
いつも通りの楽しい時間を過ごしていれば、すぐに元通りに安心してくれると思います。

今回のことでYさんは「自分にも子どもを叩いてしまうという未熟な部分があるんだ」ということを学び、今後に活かすでしょう。
また、息子さんがYさんのことを絶対的に信頼していること、だからこそ、それに応えなければいけないことを痛感するでしょう。
一方、息子さんは、今回のことで、「優しいパパでもすごく怒ってしまって、間違えてしまうことはあるんだ。人は怒ると間違えてしまうことがあるんだ」ということや「間違った人を許す気持ち」を学ぶと思います。

人は誰でも未熟です。
未熟さゆえ、過ちを犯すことがあります。
しかし人は、その過ちを許すこともできます。

息子さんはきっとYさんを許してくれます。
Yさん自身も、自分の犯した「過ち」は許してはいけませんが、「Yさん自身」のことは許してあげてください。
そして今まで通り、自信をもって息子さんに接してください。
恐ろしい形相のパパを初めて見て、「そんなこともあるんだぁ・・・」と多少なりとも息子さんが不安な気持ちになっているときです。
そこで、Yさんが自信を失ってしまっては、息子さんはきっと「もう僕の知ってるパパじゃない」ってますます不安になってしまいますから。


とにかく自信をもってください。
息子さんに素直に謝る勇気、お恥ずかしい気持ちであろうにもかかわらず私に相談メールを送信できる勇気。
もう二度と同じ間違いは犯さないという強い意志。
その勇気と強い意志があれば大丈夫。
そして、パパの勇気と強い意志を見て、息子さんも勇気と強い意志のある青年に成長してくださると思います。

お互い頑張りましょう!



【その後】

以下のようなお返事をいただきました。

「今回の件で自分の未熟さを思い知りました。
息子を叩いてしまった自分を、まだ許すことは出来ないと思います。
でも以前と変わらない態度で息子と接していこうと思います。
息子も少しずつ元の様子に戻ってきましたが、たまに「優しいお父さんになったの?」と聞いてきます。 
少し注意すると「怒らないで」と泣き出します。
そのたびに心が痛くなります。
これから息子がこの言葉を口にしなくなるよう、楽しい毎日を過ごしていこうと思います。

どのような子育てが正解なのか分かりませんが、将来の息子から「ありがとう」と言われるような子育てができればと思います。
これからも間違いを犯し悩むことがたくさんあると思います。
今回も相談できる場を。と思い検索し、このサイトに出会いました。
まだまだ、父親の子育て相談ができる場所は少ないです。
今後も頑張ってサイトを続けて下さい。
まだ気持ちが落ち着かないので、相談することがあるかもしれませんが、本当にありがとうございました」

誰でも過ちは犯すもの。
過ちを減らす努力や工夫も大事ですが、過ちを犯してしまったときのフォローも同じくらい大切です。

そして大切なのは「過ち」を反省するのであって、「自分」を否定しないこと。
「罪を憎んで自分を憎まず」のスタンスが大事です。

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